変な言い方だが、物理的に一番充実している文庫本は、新潮文庫ではないかと思う。
何せ、今スピナーがついている文庫本は、新潮文庫ぐらいしかない。スピナーとは、「しおりひも」である。
昔の創元推理文庫にもついていたのだが、いつの頃からかなくなってしまった。
「充実」にはもう1つあって、それは本の厚さである。他の出版社と比較すると、新潮文庫は、同じページ数でも厚さが少ない。言い換えれば、他社と同じ厚さの本でもページ数が多い。
下が、同じページ数で比較した本の厚さ。
新潮文庫 376P 13mm 山本周五郎 人情裏長屋
講談社文庫 380P 16mm 佐藤雅美 老博打ち
幻冬舎文庫 378P 17mm 加納朋子 てるてるあした
本の造りでチープさが感じられるのは、やはり後発の出版社だろうか。上で言えば、幻冬舎文庫。カバーを外してみると、よくわかる。
幻冬舎文庫にはまた際立った特徴があって、それはページ幅が他社よりも5mm程度狭いことだ。だから、本棚に押し込むと奥行きが揃わない。
まあ、あくまで物理的なことなので、内容には関係ない。
ちなみに、段組を見てみると、講談社は41文字×17行、幻冬舎は41文字×16行だった。こうしてみると、前日のエントリで書いた河治和香「浮世袋」(小学館文庫)の38文字×16行というのは、少々過疎化のような気がしないでもない。
本日の電子化
北原亜以子 傷
同 再会
同 おひで
同 峠
同 蜩
*「慶次郎縁側日記」シリーズ
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